海外FXは損失(マイナス)でも確定申告は必要?損失繰越や損益通算できるものを解説

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海外FXは損失(マイナス)の場合、確定申告は必要ありません。なぜなら、確定申告は利益に対してかかる税金を支払う制度だからです。また、海外FXは損失繰越(来年以降の利益と相殺)できないため、確定申告は不要です。

ただし、確定申告で税金を安くできるケースがあります。同じ課税区分(雑所得)で利益が出ている場合、確定申告すれば海外FXの損失と相殺できるので税金が安くなります。

海外FXと相殺できるもの(雑所得)

  • 仮想通貨
  • アフィリエイト
  • せどり、物販
  • 副業収入(開業届を出していない場合)
    • Webライター
    • Webデザイン
    • 動画編集
  • 公的年金(国民年金、厚生年金、企業年金など)

たとえば、アフィリエイト、せどりで副業収入50万円、海外FXの損失が100万円の場合は合計-50万円なので税金は0円です。ただし、確定申告しないと副業収入50万円に税金が5万~10万円程度かかります。(総合課税のため収入による)

海外FXで損失(マイナス)の人で、副業収入や年金が無いなら確定申告は不要。会社員以外の収入がある方は、税金を減らせるので必ず確定申告しましょう。

海外FXや副収入が合計20万以下でも、他で確定申告する予定がある方は申告必須です。また、20万以下かつ他で確定申告しない方でも、住民税の申告は必要なので注意してください。

海外FX確定申告のやり方をみる≫

本記事では、損失でも確定申告した方がいい具体例と確定申告が必要/不要なケース、税金の計算方法を解説します。確定申告のやり方も詳しく解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。

執筆者:吉田哲也

株式投資、FX歴6年以上。ファンダメンタルズをベースにしたドル円のスイングトレードがメイン。Xでは毎日の相場状況や指標を中心にファンダメンタルズ情報を発信しています。初心者でもファンダを理解すれば勝てるようになるので、学びたい方はフォロー!

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※FXのルールや注意点に関しては、金融庁「外国為替証拠金取引について」をご確認ください。パートナーのリスト編集ガイドライン評価プロセスを公開しています。

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海外FXで損失(マイナス)でも確定申告した方がいいケース

海外FXで損失でも確定申告した方がいいケース

基本的に、海外FXで年間収支がマイナスなら確定申告は不要です。なぜなら、確定申告は利益に対する税金(所得税)を支払う制度だからです。

また、株式投資や国内FXなら3年間の損失繰越ができるため、今後3年間の利益と相殺して税金を減らせます。ただし、海外FXは損失繰越できないので、損失を確定申告する意味はありません。

ただし、海外FXと同じ雑所得で収益がある場合は、利益と相殺して税金を減らせるケースがあります。雑所得とは、会社員の給与や個人事業主の報酬、配当・不動産収入以外の所得です。

海外FXと相殺できるもの(雑所得)

  • 仮想通貨
  • アフィリエイト
  • せどり、物販
  • 副業収入(開業届を出していない場合)
    • Webライター
    • Webデザイン
    • 動画編集
  • 公的年金(国民年金、厚生年金、企業年金など)

よくある雑所得は、仮想通貨やアフィリエイト、Webライターなどで得た副業収入です。最近では、クラウドワークスやランサーズで副業する方が増えており、収入がある場合は相殺しましょう。

仮想通貨ブームで含み益を持っている方は、売却して海外FXの損失と相殺するのも手です。このまま上がると思う場合は保有した方がいいですが、税金面を考えるなら売却して相殺することも考えてみてください。

また、国民年金や厚生年金を受け取っている場合は、年金収入とも相殺できます。そもそも、公的年金は控除額が大きいため税金は高くありませんが、少しでも税金を減らしたい方は確定申告した方が良いです。

次に、確定申告が必要/不要なケースと税金の計算方法を解説します。海外FXと相殺しても副収入の利益がある方は、自分は確定申告が必要か確認しましょう。(相殺してマイナスの方は確定申告不要です)

【確定申告する前にチェック】確定申告対象者と税金の計算方法|注意点も解説

海外FXの確定申告対象者と税金の計算方法

海外FXの損失と相殺しても、副収入の利益が残った方は確定申告が必要です。ただし、確定申告しなくていいケースもあるので、しっかり理解しておきましょう。意外と知らない注意点もあるので、詳しく解説します。

確定申告対象者|20万円以上は確定申告が必要

海外FXを含む雑所得で収入がある場合、サラリーマンなら20万円、主婦や個人事業主なら48万円を超えると確定申告が必要です。一方、利益や副収入の合計が20万円以下の方は、確定申告しなくてもOKです。

ただし、海外FXや副収入が合計20万以下でも、他で確定申告する予定がある方は申告必須です。また、20万以下かつ他で確定申告しない方でも、住民税の申告は必要なので注意してください。

対象者確定申告が必要な金額
給与所得者
(サラリーマン)
年間20万円以上の利益がある場合
非給与所得
(専業主婦・個人事業主など)
年間48万円以上の利益がある場合

注意点として、20万円以下なら確定申告(所得税の支払い)は不要ですが、住民税の支払いはしなければいけません。確定申告の場合は自動で住民税も支払ってくれますが、確定申告しないなら自分で市役所や自治体で手続きが必要です。

住民税申告書は、市役所の窓口か自治体のHPからダウンロードできます。提出場所は自治体によって異なるため、自治体のHPを確認しましょう。知らずに支払っていない方もいますが、脱税行為に当たるので必ず手続きしましょう。

税金の計算方法|雑所得は総合課税で変動する

海外FXを含む雑所得は総合課税で、給与所得や事業所得、不動産所得との合計金額で税率が決まります。対象となる所得については国税庁HPでも詳しく記載されています。また、確定申告では所得税を支払いますが、別で住民税10%もかかります。

下記に計算ツールと自分で計算する方法を記載しました。いくつか数値を入れるだけで所得税率がわかるので、自分の場合は海外FXの利益にいくら税金がかかるか1分でわかります。

税金計算ツール
収入
青色申告、経費を引いた金額
経費を引いた金額
控除
年収103万以下または所得48万以下が対象
医療費、保険料控除など
シミュレーション結果

※各項目は令和6年分(2024年)の計算方法を適応し、概算値を算出しています。
※確定申告の有無により寄付金控除(ふるさと納税)の計算が異なるため、所得税と住民税が異なる場合があります(合計額は同じになります)。
※住民税は10%で計算しています。

※このツールは、情報提供のみを目的として提供されており、正確性や完全性を保証するものではありません。本ツールの使用によって生じたいかなる損失や損害についても、当社は一切の責任を負いません。特に、税金やその他の財務については、専門家に相談することをお勧めします。

自分で計算する方向けに、課税所得ごとの税率と控除額を表にまとめました。具体的な計算方法も解説しているので、参考にしてください。

課税所得と税率(所得税+住民税)

課税所得海外FX控除額
~195万円15%0円
195~330万円20%9万7,500円
330~695万円30%42万7,500円
695~900万円33%63万6,000円
900~1,800万円43%153万6,000円
1,800~4,000万円50%279万6,000円
4,000万円~55%479万6,000円
課税所得に税率をかけた後に控除額を差し引きます

例えば、年収400万円でFX利益が50万円のサラリーマンの場合で考えます。

まず年収400万円には給与所得控除が適応されるので、国税局のHPを確認します。400万円の場合、「収入金額×20%+44万円」が控除されるので、400万円×20%+44万円=124万円を引いた額が課税所得です。

つまり、400万円-124万円=276万円がサラリーマン本業の課税所得。そこに、海外FXの利益50万円を足すと、課税所得の合計は326万円になります。

上表に当てはめると、税率は20%なのでFX利益50万円×20%=10万円の税金がかかります。

※実際は、課税所得326万円×20%=65.2万円から、控除額9万7,500円を差し引いた金額の税金を支払います。上記では、海外FXの利益により増える税金を算出するため、控除額は給与に適応するものとして計算は省略しています。

注意点として、税率は課税所得すべてにかかるのではなく、はみ出た分が対象です。例えば、課税所得400万円なら全てに30%かかるのではなく、195万円~330万円は20%、330万円~400万円は30%と段階的に適応される点に注意してください。

ただ、段階的に計算するのが大変なので、控除額を差し引けば実際に支払う税金になるように計算されています。海外FXと国内FXの税金について詳しく知りたい方は海外FXと国内FXの税金比較|どっちが安い?をご覧ください。

海外FX・国内FXの税金対策9選|知識をつけて賢く節税しよう!

海外FXの税金対策9選|高すぎる税金の節税方法

海外FXの税金対策に抜け道はありませんが、節税方法はたくさんあります。自分ができる節税をできるだけ実践して、税金を減らしましょう。

海外FXの税金対策9選


  • FX関連の費用を経費計上する
  • 所得控除を利用する
  • 他の雑所得と損益通算する
  • 配偶者、家族にトレードしてもらう
  • 取引手数料がかかる口座タイプを使う
  • 両建てで利益を一時的に減らす
  • 含み益を確定しない、含み損を確定する
  • 法人化して税率を下げる
  • 税金が少ない国へ移住する

誰でも出来る税金対策もいくつかあるので、海外FXの税金対策9選|誰でもできる節税方法を紹介を参考にしてください。

税金対策をしたら、必ず確定申告もしましょう。やらないと必ずばれて、余計に税金を支払うことになります。面倒な確定申告ですが、不慣れな方でも簡単にできるように実際の手順を画像付きで解説しています。

海外FX・国内FXの確定申告|申告書の書き方・e-tax提出のやり方

海外FXの確定申告の書き方・e-TaXのやり方

近年では確定申告が簡単にできる仕組みになり、税務署に行かなくてもスマホ・PCで完結します。必要書類は、マイナンバーカード・源泉徴収・各種控除証明書・経費の領収書・年間取引報告書の5点です。

海外FX確定申告の書き方・e-tax提出のやり方


  • 国税庁サイトにアクセスする
  • 税務署への提出方法を選択する
  • 作成する申告書を選択する
  • マイナポータルをインストールする
  • マイナンバーカードを読み取って本人確認する
  • 申告書を作成する
  • 海外FXの利益を「雑所得」に入力する
  • 控除を入力する
  • 住民税の支払い方法を選択する
  • 申告書を税務署に提出する

詳しくは海外FX確定申告の書き方・必要書類|e-Tax提出のやり方も解説をご覧ください。提出方法と注意点を画像付きで初めてでもわかるように解説しています。

海外FXの確定申告・損失(マイナス)に関するよくある質問

海外FXの確定申告・損失(マイナス)に関するよくある質問

海外FXの税金の抜け道はありますか?

海外FXの税金の抜け道はありませんが、正当なやり方で税金を減らすことはできます。詳しくは海外FXの税金対策9選|高すぎる税金の抜け道はある?をご覧ください。

また、税金の基本から知りたい方は海外FXの税金まとめをご覧ください。

海外FXの税金は出金しなくてもかかりますか?

出金しなくても税金はかかります。海外FXでは利益を確定した時点で課税対象なので、出金したかは関係ありません。詳しくは海外FXは出金しなければ税金はかからない?をご覧ください。

海外FXと国内FXを併用(両方使う)場合の税金はどうなりますか?

海外FXと国内FXを併用(両方使う)場合の税金は、課税区分が異なるため損益通算できず、それぞれ計算して支払う必要があります。そのため、片方で損失が出ても、利益と相殺できないため税金は減らせません。

ただし、収入や利益が少ない方は海外FXの方がお得な場合もあります。また、併用するメリットもあるので詳しく知りたい方は海外FXと国内FXを併用した場合の税金はどうなる?両方使うメリットも解説をご覧ください。

海外FX・国内FXで経費計上できるものは何がありますか?

海外FX・国内FXで経費計上できる代表例は、パソコンやスマホ、家賃、取引手数料があります。ただし、注意点もあるので海外FX・国内FXの経費にできるもの11選と注意点をご覧ください。

海外FXと国内FXは、どちらが税金面でお得ですか?

海外FXと国内FXの税金は、所得額によってどちらがお得か異なります。年収とFX利益の合計が500万前後なら大きな差は無いので、他の要素で検討するのがおすすめ。

ただし、収入が多い方は海外FXの税金が高くなるので、一律約20%の国内FXがお得です。詳しくは海外FXと国内FXの税金比較|安いのはどっち?をご覧ください。

海外FX・国内FXでもらえるキャッシュバックに税金はかかりますか?

海外FX・国内FXでもらえるキャッシュバックに税金はかかります。ただし、キャッシュバック内容によって、税金区分や確定申告が必要な金額が異なります。

詳しくは海外FX・国内FXのキャッシュバックは税金がかかる?をご覧ください。

海外FXの損失(マイナス)は確定申告不要!ただし、節税になる場合もある

海外FXの損失(マイナス)は確定申告し不要

海外FXの損失(マイナス)は、確定申告しなくでOK。ただし、副収入がある方は確定申告した方がいいケースもあります。下記に該当する収入がある方は、海外FXの損失と相殺して税金を減らせるので確定申告しましょう。

海外FXと相殺できるもの(雑所得)

  • 仮想通貨
  • アフィリエイト
  • せどり、物販
  • 副業収入(開業届を出していない場合)
    • Webライター
    • Webデザイン
    • 動画編集
  • 公的年金(国民年金、厚生年金、企業年金など)

確定申告は20万円以上(専業主婦や個人事業主は48万円)を超えたら、必ずしましょう。バレないと思ってて手続きしない方もいますが、バレた時のリスク(追加徴税・脱税で逮捕など)が高いので注意してください。

確定申告は、初めてだと少し時間がかかりますが、慣れれば簡単にできます。詳しい手順は海外FXの確定申告の書き方・必要生類|提出のやり方も解説をご覧ください。

参考文献

記事に関する責任者・責任元

運営会社finconnect株式会社
住所愛知県名古屋市北区大曽根3-10-7(リニアビル)
代表者吉田哲也
連絡先info@finconnect.co.jp

質問など問い合わせについては、お問合せよりご連絡ください。

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