海外FXのゼロカットシステムとは？追証なしのデメリットと罠、国内FXに無い理由

海外FXのゼロカットシステムとは、ロスカットが間に合わず残高がマイナスになった場合に、借金をFX業者が負担してくれる仕組みです。追証（追加保証金）を支払うリスクなしで、安心して取引できるのがメリット。

国内FXはゼロカットシステムがないため、急激な値動きでロスカットが間に合わない場合は追証が発生します。低レバレッジでも為替は予想外の値動きをするので、借金を負いたくない方は海外FXがおすすめです。

ただし、ゼロカットシステムにはデメリット・罠があります。

本記事では、ゼロカットシステムの仕組みからデメリット・知らないとやばい罠まで初心者向けに詳しく解説しているのでぜひ最後までご覧ください。

海外FXのゼロカットシステムとは？仕組み・ロスカットとの違い

ゼロカットシステムとは、口座残高以上の損失はFX業者が補填してくれる仕組みです。

基本はロスカットされるので、ゼロカットシステムは発動しません。ただし、急激な値動きでロスカットが間に合わず残高以上の損失が発生したタイミングで発動します。

ゼロカットシステムが発動するタイミングは業者ごとに異なり、即時反映やサポートに連絡が必要な場合があります。ゼロカットシステムが発動すると、口座残高のマイナスが0に変わります。

ゼロカットシステムは国内FXには無く、ハイレバレッジ取引と相性が良いため短期間で大きく稼ぎたいトレーダーは海外FXを利用しています。

ハイレバレッジ取引をしない方も、国内FXの場合は急激な価格変動でロスカットが間に合わずに借金を負うリスクがあるので、安心してトレードするなら海外FXがおすすめです。

過去には、低レバレッジでもスイスフランショックや東日本大震災で暴騰・暴落が発生し、数百万の借金を負う事例もあったので注意してください。

ゼロカットとロスカットの違い

ロスカットとは、一定の損失が発生したらポジションを強制決済する仕組みです。

業者ごとにロスカット水準が決まっており、証拠金維持率が水準を下回ると発動します。通常は残高が0になる前にロスカットされるので、マイナスになることはありません。

一方、ゼロカットシステムは残高がマイナスになった場合にFX業者が補填する仕組みです。基本的に、ロスカットが発動するので残高がマイナスになることはありませんが、急激な値動きが起きるとロスカットが間に合わない場合に発動します。

つまり、基本的にロスカットがあるのでゼロカットシステムは発動しません。ただし、急激な値動きでロスカットが発動できずに想定以上の損失を喰らった場合に発動するのがゼロカットシステムです。

そもそもゼロカットが発動するケースはある？

ゼロカットは過去に何度も発動したケースがあります。

有名なものだと、2015年のスイスフランショックやチャイナショック、2019年のアップルショックで発動しました。例えばスイスフランショックでは、短時間で30円以上動いたため、ロスカットが間に合いませんでした。

XMではゼロカットが発動したため、トレーダーが借金を負うことはありませんでしたが、国内FXでは数百万単位の追証が発生した人も。少額でFXを始めた方も、入金額以上の支払いが発生した最悪の事件でした。

ただし、ゼロカットシステムにはデメリットや意外な罠があります。次の章で解説するので、知らずに損したくない方はご覧ください。

国内FX業者にゼロカットシステムがない理由

国内FXでゼロカットシステムがないのは、日本の法律で禁止されているからです。

日本では金融商品取引法で損失の補填が禁止されており、ゼロカットシステムは損失補填に該当するため国内FXでは採用されていません。

（損失補塡等の禁止）

第三十九条　金融商品取引業者等は、次に掲げる行為をしてはならない。

二　有価証券売買取引等につき、自己又は第三者が当該有価証券等について生じた顧客の損失の全部若しくは一部を補塡し、又はこれらについて生じた顧客の利益に追加するため当該顧客又は第三者に財産上の利益を提供する旨を、当該顧客又はその指定した者に対し、申し込み、若しくは約束し、又は第三者に申し込ませ、若しくは約束させる行為

三　有価証券売買取引等につき、当該有価証券等について生じた顧客の損失の全部若しくは一部を補塡し、又はこれらについて生じた顧客の利益に追加するため、当該顧客又は第三者に対し、財産上の利益を提供し、又は第三者に提供させる行為

金融商品取引法（e-GOV）

低レバレッジの取引でも、FXでは予想外の急激な値動きで借金を負うリスクがあります。過去にスイスフランショックや東日本大震災で国内FXユーザーが数百万の借金を負う事例がありました。

借金リスク0で安心して取引したい方は、国内FXではなくゼロカットシステムがある海外FX業者をおすすめします。

ただし、海外FXがゼロカットシステムを採用するのは思惑があります。詳しくは海外FX業者はなぜゼロカットシステムを採用する？をご覧ください。

海外FXゼロカットシステムのメリット

金融ショックが起きても、借金リスクがない

海外FXゼロカットシステムのメリット1つ目は、金融ショックが起きても借金リスクがないことです。これは、スイングトレーダーなどポジションを長期間保有する方に恩恵があります。

過去には、スイスフランショックやチャイナショック、アップルショックなど、急激な値動きでロスカットが間に合わない事例がありました。

これらの事例では、低レバレッジ（5~10倍程度）の方も追証が発生し、数百万以上の借金を負った方もいます。スキャルピングやデイトレーダーは保有期間が短いためリスクは低いですが、スイングトレーダーやスワップ狙いの方は注意が必要です。

一方、海外FXのゼロカットシステムがあれば、口座残高以上は損しないので、気にせずトレードできます。ゼロカットシステムは稀にしか活躍しないですが、もしもの時に人生終わる可能性があるので借金したくない方は海外FXがおすすめ。

安心してハイレバ取引できる

海外FXゼロカットシステムのメリット2つ目は、安心してハイレバ取引できることです。これは、資金が少なくハイレバレッジで取引する方に恩恵があります。

FXでは金融ショック以外にも、経済指標や要人発言により、日常でも大きく動きます。実際にハイレバ取引をしていると、ちょっとした暴騰・暴落でロスカットが間に合わないことがよくあります。

最大レバレッジを限界まで使わない人は心配ありませんが、効率よく増やすためにハイレバ取引している方は、追証リスクのないゼロカットシステムがある海外FXを利用しましょう。

次に、ゼロカットシステムのデメリット・罠を紹介します。ゼロカットシステムは良い仕組みですが、使い方を間違えると損するので必ず理解しておきましょう。

海外FXゼロカットシステムのデメリット・罠

雑な取引をしやすくなる

ゼロカットシステムは損失が限定されるため、気持ちが大きくなって雑な取引をしやすくなる場合があります。

最悪、入金額以上は損しないからと考えて、一獲千金を狙ったギャンブルトレードをする人がいます。一度ギャンブルトレードを覚えてしまうと癖になり、長期的に勝てなくなるので注意してください。

ゼロカットシステムはあくまで保険的な立ち位置です。積極的に狙うと、悪用とみなされる可能性もあるのでやめておきましょう。

ゼロカットシステムを発動しない悪徳業者がいる

ゼロカットシステムを発動しなかった悪徳業者がいるので、業者選びには注意が必要です。

海外FX業者の中には、ゼロカットシステムを採用していながら追証を請求する悪徳業者もいます。過去に、2015年スイスフランショックで追証を請求した業者もいるので注意が必要です。

業者を選ぶ際は、必ず金融ライセンスの有無、SNSやブログの口コミを確認しましょう。安全性が高いのは、XM、FXGT、HFMarketsです。取得難易度が高い金融ライセンスを持ち、悪い噂もほとんどないため私も利用しています。

ゼロカットシステム狙いの取引は禁止の場合がある

多くの海外FX業者はゼロカットシステム狙いの取引を禁止しています。

例えば、経済指標や週明けのボラティリティの高さを利用したハイレバレッジ取引は注意が必要です。業者側から、ゼロカットシステムを故意に悪用しているとみなされると、利益没収や出金拒否になるので注意してください。

また、ゼロカットシステムを悪用した両建て取引は禁止されています。なぜなら、ゼロカットシステムを使った両建てはトレーダーが勝てる確率が高く、FX業者が損するからです。

勝率が高い手法なので思い付く人は多いですが、ほとんどの業者で両建ては禁止されているのでやめておきましょう。例として、5万円ずつ入金して両建て後、10万円の値動きがあった場合を下記に示します。

例）5万円ずつ入金して両建てした場合

	A社	B社
入金額	5万円	5万円
損益	+10万円	-10万円
残高	15万円	0万円（ゼロカット発動）

A社は入金額5万円＋利益10万円で残高は15万円。B社は入金額5万円-損失10万円で本来は-5万円ですが、ゼロカットシステムが発動するので残高は0万円です。

つまり、両社合わせて10万円入金して15万円出金できるので、5万円の利益が出ます。値動きが大きい経済指標や通貨ペアを使うと、さらに利益は大きくなります。

また、ボーナスを使えばさらに稼げます。値動きが小さいとゼロカットシステムの前にロスカットが発動するので、稼げないデメリットはありますが勝率は高いです。

以上の理由で、ゼロカットシステムを悪用した両建て取引は禁止されています。バレると利益没収やアカウント停止になるので絶対にやめておきましょう。

海外FXゼロカットシステムの流れ・タイミング

海外FXのゼロカットシステムの流れは、上記の通りです。まず口座残高（入金した分）がロスカットが間に合わずにマイナスになり、その後ボーナスと相殺されます。

それでもマイナスの場合に、ゼロカットシステムが発動してFX業者が補填してくれます。マイナス残高のリセット方法は、自動で0リセットされたり、サポートに問い合わせたりと業者ごとに異なります。

私が利用しているXMTradingの場合は、数分～数時間後に自動でリセットされます。たまに遅い時がありますが、その場合は入金すればリセットされます（マイナス分が補填されることはありません）。

ただし、中にはサポートへ連絡しないと対応してくれない業者もあるので注意が必要です。心配であれば、まずはサポートに連絡してリセット方法を確認しましょう。

海外FXゼロカットシステムの注意点

業者選びの際は、安全性や過去実績の確認が必要

業者選びの際は、ゼロカットシステムを採用しているだけでなく、安全性や過去実績を必ず確認しましょう。基本的に海外FXはゼロカットシステムを採用していますが、そもそも詐欺業者だったり、いざという時にゼロカットしない業者がいます。

私のおすすめは、過去最大のスイスフランショックでもゼロカットの実績があり、業者自体の信頼性も高いXMTradingです。XMのゼロカットについて詳しくはXMはゼロカットで追証なし！条件・タイミングは？をご覧ください。

XM以外に信頼性が高い業者を探している方は海外FXのおすすめランキング2024年版！目的別で徹底比較をご覧ください。本当に業者を紹介しています。

ゼロカットを悪用すると、利益没収・アカウント停止される

ゼロカットシステムを悪用すると、利益没収・アカウント停止されるのでやめておきましょう。悪用とは、経済指標や週明けの窓開け狙いの取引や、複数業者を使った両建てが当てはまります。

悪用しているかは、業者側の判断なので明確な基準はありませんが、怪しい行動は控えましょう。悪用していると判断された場合、警告またはアカウント停止のメールが届きます。

サポートへの連絡が必要な場合がある

マイナス残高がリセットされる条件は海外FX業者ごとに異なり、サポートに連絡が必要な場合があります。1営業日待ってもリセットされない場合は、サポートに連絡してみましょう。

ゼロカットシステムがある海外FX業者おすすめ3選

ゼロカットシステムだけでなく、業者の信頼性（金融ライセンス・資金管理方法）や取引スペック（ボーナスやスプレッド）を考慮したおすすめ業者を3社紹介します。

XMTrading

FXGT

Exness

海外FXのゼロカットシステム（追証なし）に関するよくある質問

海外FX業者はなぜゼロカットシステムを採用するのですか？

トレーダーを集客したいからです。海外FXは国内FXと比べ、信用や取引コスト面で劣っています。その分、ボーナスやゼロカットシステム、レバレッジで顧客獲得を狙っているからです。

詳しくは海外FXはなぜゼロカットシステムを採用するの？をご覧ください。

ゼロカットとロスカットの違いは何ですか？

ロスカットは業者で決められた証拠金維持率を下回った際に強制でポジションが決済されることです。ただし、急激な値動きでロスカットが発動せず、口座残高がマイナスになった際に発動するのがゼロカットです。

基本的にロスカットが発動するので、ゼロカットシステムは発動しません。

海外FXでゼロカットシステムがない業者はありますか？

基本的に、海外FX業者はゼロカットシステムを採用しています。ただし、過去にスイスフランショックでゼロカットが発動されず、借金を負う事例があったようです。必ず信頼できる業者を選びましょう。

海外FXでゼロカットされた場合の税金・確定申告はどうなりますか？

海外FXでゼロカットされて、年間の利益が無い場合は税金の支払いは不要で確定申告はしなくて大丈夫です。ただし、利益が出た場合は海外FXの確定申告を参考に手続きをしましょう。

海外FXでゼロカットシステムの悪用とはどんな行為ですか？

経済指標前や週明けのボラティリティが高いタイミングのハイレバレッジ取引は悪用とみなされる可能性があります。その場合、口座凍結されるケースもあるので注意してください。

海外FXのハイレバレッジ取引のデメリットはありますか？

ハイレバレッジ取引のデメリットは、一発で資金を失う可能性があることです。海外FXではゼロカットで残高がマイナスになることはありませんが、その安心感で適当な取引をして資金を失う人が多いです。

FXで稼ぎたいなら、ハイレバレッジ取引をする際も冷静に資金管理とエントリーポイントを見極めましょう。

ゼロカットシステムが日本国内のFX業者で採用されていない理由は何ですか？

日本では、金融商品取引法で損失の補填が禁止されているからです。

XMはゼロカットシステムを採用していますか？

XMはゼロカットシステムを採用しています。詳しくはXMのゼロカットシステムをご覧ください。

海外FXでゼロカットシステムと両建てを使えば稼げますか？

稼げる可能性が高いですが、海外FXでは両建てでゼロカットシステムを悪用したトレードは禁止されています。詳しくは海外FXの両建ては禁止？両建てルールを解説をご覧ください。

海外FXはゼロカットシステムで追証なし｜意外な罠と悪用に注意！

FXは急な値動きでロスカットが間に合わずに、追証（借金）になるリスクがあります。基本的にロスカットが発動しますが、数年に1回はロスカットが間に合わずに追加入金を請求されるケースがあるので国内FX利用者は注意が必要です。

一方、海外FXならゼロカットシステムを採用しているので、追証リスク無しで安心して取引できます。ハイレバレッジ取引や日を跨いで取引する方は海外FXがおすすめ。

ただし、ゼロカットシステムを悪用した取引は禁止されているので注意してください。例えば、経済指標やFOMCのタイミングで両建てして稼ぐのは禁止です。あくまで、もしもの時の保険と考えておきましょう。

また、ゼロカットシステムを採用していても執行しない悪徳業者もいます。業者選びを間違えると後悔するので、信頼性が高い業者を選びましょう。特にXMは業界人気No.1で、ゼロカットの実績もあるのでおすすめです。

参考文献

• e-Gov：金融商品取引法
• 金融庁：無登録の海外所在業者による勧誘にご注意ください
• XMTrading公式：FX取引
• FXGT公式：FX取引
• Exness公式：外国為替トレード